Fishing
2021-09-19
はじめてのテナガエビ釣り④ ~ 完結編 ~
この夏、釣り初心者のシマノスクエアスタッフが、テナガエビ釣りに挑戦しました。
数回に分けて、その模様をレポートします!
何度もテナガエビ釣りにチャレンジし、ようやく前回『③リベンジ編』で釣る事ができました。
しかし、産卵期を迎えたメスだったので、持ち帰らず泣く泣くリリース。
「次こそは、何としても釣り上げて食べる!」と心に誓い、挑戦の日々を再開させたのでした。
■ 紀ノ川での釣り
これまでの釣り場は、シマノスクエアのある大阪梅田近くの「淀川」。
しかし、天気が悪い日が続いて釣りに行けず、更に緊急事態宣言期間中に店が臨時休業となり、淀川で釣りをするのが難しくなりました。
そこで、場所を和歌山県紀北エリアの「紀ノ川」に変更しました。
・和歌山市の紀ノ川沿い
まずは、紀ノ川でのテナガエビ釣りについて、インターネットやSNS、書籍などで徹底的にリサーチ!
でも、情報が限られていて、どこなら釣れるのかイマイチ分かりません。
海水と淡水が入り混じる「汽水域」なら生息している可能性が高そうと考え、ひとまず海に近い和歌山市方面に行ってみる事にしました。
毎日の様にあちこち探し回り、良さそうな浅瀬を見付けては夕暮れまで釣る、という事を何度も繰り返しましたが、残念ながらめぼしい釣果は何もなく・・・。
同じ汽水域でも、淀川とは生態系や川の様子が全然違っていて、なかなか上手くいきません。
小魚にエサを食われたり、根がかりして針や仕掛けを失くしたり、暑さにやられて軽く熱中症気味になったりと、苦戦ばかり。
情報収集のため、和歌山市内の釣具店に幾つか立ち寄り、店員さんに話を伺ってみましたが有益な情報が得られず、紀の川でのテナガエビ釣りは苦戦を強いられました。
・仕切り直し
連日の様に紀ノ川で釣りをしましたが、一向に成果が出ず、終わりが見えません。
「このままでは、釣りのシーズンが終わってしまう…。」と焦りが募ってきました。
どうしたものかと悩み続けたある日、以前訪れた釣具店で聞いた話が頭をよぎりました。
それは「和歌山の古座川で、テナガエビが捕れる。」という事。
・一筋の光明
インターネットで調べてみた所、古座川でカヌー&川遊び体験プランを紹介しているサイトに辿り着き、その中で『テナガエビ捕り』という文言を発見!
藁にもすがる思いで、主催元の古座川アドベンチャー倶楽部に問合せました。
お話を伺うと、まだ今の時期も古座川でテナガエビ捕りができ、川遊び体験では網で捕獲しているとの事でした。
我ながら変わった要望だと思いながらも、「どうしてもテナガエビを釣って食べたいので、釣具を持ち込ませて欲しい。」と無理を承知でお願いした所、ご快諾頂けました!
■ いざ、古座へ
半日体験プランを申し込み、後日電車を乗り継ぎJR古座駅に到着。
事前にお迎えをお願いしていた、古座川アドベンチャー倶楽部のスタッフの方と合流し、集合場所の南紀月の瀬温泉 ぼたん荘で受付を済ませました。
濡れてもいい恰好に着替え、釣具を持参して古座川の河川敷へ。
古座川は透明度がかなり高く、水深が深い所は緑ががって見え、とても美しかったです!
また、テナガエビの住処は河川敷の対岸にある岩場で、カヌーかSUPに乗らないと行けない所だと教えて頂きました。
ただ、カヌー、SUPどちらも未経験。
乗り方を学んでから、テナガエビ釣りをする事となりました。
《 SUPとは? 》
SUPは、「Stand Up Paddleboard(スタンドアップパドルボード)」の略称。
英語で「エスユーピー」、日本語だと「サップ」と呼ばれ、大きなサーフボードの上に立って、水をかき分けるためのブレードが先端に付いた「パドル」を使い、水上を漕いで進みます。
また、使用中は安全のために、「リーシュコード」を使用者の足に装着します。
ボードと使用者を繋ぎ、もし使用者が水中に落ちても、SUPが流されてしまう事を防いでくれます。
・半日体験プラン参加
用意されたヘルメット・ライフジャケットを着用し、他の参加者の方々と共に、まずは安全講習を受講。
ライフジャケットの付け方、水中で溺れた時の基本的な体勢(「浮いて待て」)、溺れた人を助ける時の注意など、丁寧に説明して頂きました。
次は、カヌー体験。
川にカヌーを進め、パドルの操作方法を実地で学びます。
最初は上手く扱えませんでしたが、練習する内に前進・後退・方向転換ができる様になりました。
少し余裕が出てきて周りを見渡すと、すぐ近くで沢山の小魚や、30cmを超える大きな魚達が悠々と気持ち良さそうに泳いでいました。
・SUPに乗って、釣りにチャレンジ
カヌーで漕ぎ方にある程度慣れてから、SUPに乗り換え。
仕掛けとエサをセッティングした釣具を積み、いよいよ、テナガエビ釣りのスタートです!
釣具を落とさない様にするため、SUPに座った状態で対岸の岩場へと漕ぎ出しました。
岩場に着き、どの辺りでよく見掛けるのか教えて貰いましたが、上手く見当を付けられません・・・。
どこにいるのか確かめるため、わざわざスタッフの方が糠(ぬか)を撒いて、誘き寄せてくれました。
少し待つと、隠れていたテナガエビ達がワラワラと姿を現し始めました。
やっとその姿を認識できた私は「こんなに見れるなんて!ここはテナガエビパラダイス!!」と一人大興奮。
早速、近くの岩陰でウロウロしているテナガエビ達に狙いを定め、SUPの上からエサをつけた釣り針を落としてみました。
しかし、ターゲットがどこにいるのか見ながら釣る「サイトフィッシング」と、SUPから釣りをするのは初めての体験。
川に流されるSUPに乗りながら、狙った所に釣り針を留め続けるのは難易度が高く・・。
折角狙い通りにエサを落とせても、テナガエビがモグモグする前に流されてしまうのです。
SUPが移動しない様に近くの岩場に片足を引っかけて釣りを続け、やや小振りなテナガエビを1匹ゲット!
・ついに、大物登場!
次なる獲物は、大きなハサミが岩の隙間から覗いている大物。
近くにエサを落とし、誘い出そうとしましたが、大きいだけあって慎重なのか、中々釣れません。
何度も根気良くトライし続け、ようやく釣り上げる事に成功!
長くて重厚な右側のハサミが特徴的な、全長20cm以上の立派なオスでした!!
針を外そうとすると、ハサミを振り回し大暴れ。
こちらも必死で応戦しますが、決死の抵抗を続け、強い力で指を挟まれたりして一苦労しました。
その後、糠の効果が切れてきたのか、テナガエビが見付けにくくなってきました。
何気なく足元に目をやると、丁度真下の岩場に程良い大きさのテナガエビが見え隠れしていました。
今回はターゲットが余りに近かったため、SUPから降りました。
腰から下が水に浸かる程度の、浅い岩場に足を下ろして、釣りを継続。
しかし、ロッド(釣り竿)を真っすぐ立てて持っても、岸沿いに生えている木の小枝にライン(釣り糸)や仕掛けが絡まったりして、操作が難しかったです。
仕方なくSUPの上にロッドを寝かせ、手でラインを直接持つ事に。
何とか誘い出そうと足元にエサを落として、モグモグする所を見計らいます。
最終的に3匹目を水中から抜き上げた所で、丁度タイムアップとなりました。
・念願の実食♪
岸に上がると、用意されていたのは卓上コンロと油が入った鍋。
清流・古座川のテナガエビは、泥抜き不要!
何と、その場で揚げてくれました!!
少し塩をまぶして貰い、揚げたてのテナガエビは真っ赤に色付いていて美味しそう♪
「ここまで長かった、やっと食べられる・・・」と万感の思いで、頭から尻尾まで丸ごと余す事無く頂きました。
熱々でしたが食感はパリパリとしていて、はるばる古座まで来た甲斐があったと思える程、美味しかったです(泣)
古座川アドベンチャー倶楽部の全面的なサポートのお陰で、やっと夢が叶いました!
ここまで付き合ってくださった、スタッフの方々には感謝しかありません!!
因みに、大きいサイズのものは、焼く方がおススメとの事でした。
油で揚げるよりも、本来の味が楽しめるそうです。
■ すさみ町での釣り
その後向かったのは、すさみ町。
実は知人から「周参見川の河口で、テナガエビが獲れる。」と聞いていて、どうしても確かめたかったからでした。
・周参見川の河口
教えて貰った場所は、消波ブロック(テトラポット)や岩がゴロゴロある浅瀬。
水が澄んでいて、川底がよく見通せ、やや大き目なカニや小魚が沢山いました。
昼過ぎに釣りを始めましたが、やはり明るい内は活性(魚の動きや食い気など、活動力)が低いのか、数時間粘っても全然釣れません。
動きがあったのは、日差しが落ち着き始めた夕方前。
足場のすぐ近くの岩の隙間に、とても小さなテナガエビがいるのを見付けました。
よくよく目を凝らすと、岩陰に他にも数匹発見!
そこ目掛けて釣り針を垂らします。
エサだけ食われたり、掛ったと思ってもハリが外れる「バラシ」にあったりと、釣り上げるタイミングが合わせにくかったです。
しぶとく釣りを続け、1匹目が掛かりました。
その後、日か落ちるに従って潮が満ち、それに呼応するかの如く、隠れていたテナガエビ達がうろうろと姿を現し始めました。
帰る時間ギリギリまで続けた結果、小さいながらも2匹確保!
エアポンプ(ブクブク)をセットしたエサクーラーに真水を入れて、合計3匹自宅まで持って帰る事ができました。
■ 自宅で調理
・泥抜き
持ち帰ったテナガエビ達の泥抜きをするため、エアポンプをずっと稼働させ、水温が上がらない様に気を付けながら放置。
丸一日経ち、様子を確認。
全然水が汚れてなかったので、周参見川のテナガエビも泥抜き不要だったのかもしれません。
ただ、最初に釣った1匹は弱っていた様で、残念ながら死んでしまいました・・・。
残り2匹は大丈夫そうだったので、釣り漫画『放課後ていぼう日誌』などを参考に、調理に取り掛かりました。
・Let's Cooking!
《 作り方:テナガエビの空揚げ 》
① 洗浄
・泥抜きしたテナガエビをザルに入れ、流水で軽く水洗いして汚れを落とします。
② 締め&臭み抜き
・ボウルにテナガエビを移し、料理酒をたっぷり注ぎます。
・テナガエビが酔っ払って暴れるので、ボウルに手早く蓋をして締めます。
③ 片栗粉まぶし
・ビニール袋に、大人しくなったテナガエビと片栗粉を入れ、よくまぶします。
④ 揚げる
・油を170度前後まで熱します。
・片栗粉をまぶしたテナガエビを投入して、カラっと揚げます。
・出来上がり♪
たった2匹だけとは言え、自力で掴み取った釣果。
紀ノ川での釣りでずっと協力してくれていた家族と、分け合って頂きました。
今回衣がある分、食感はサクサク。
上品な味をじっくり噛み締めました♪
■ 最後に
ここまでかなり手こずりましたが、当初の目標をようやく達成!
右も左も分からない状態で釣りを始め、テナガエビ釣りを通じて、色んな体験ができました。
上手くいかない事ばかりでしたが、釣りの探り合いや駆け引きの奥深さを感じられたと思います。
釣りの基礎知識のみならず、カヌーやSUPの乗り方まで習得できるとは想定外でしたが。
また次のシーズン以降も、機会があればテナガエビを捕りに行って、もっと沢山食べたいです!!
ぜひ来シーズンあなたもトライしてみませんか?