Bicycle

2022-11-19

南海電鉄×シマノスクエア 南海線サイクルトレイン2022

フォトグラファー辻さん&小俣さんと行く 映えるサイクルフォトライド レポート


これは夢なのではないか? 朝の南海なんば駅のホームで、電車を待つのはたくさんのサイクリストたち。いつもと違って輪行袋はなく、それぞれの愛車をそのまま隣に携えている。まるでヨーロッパの鉄道駅のような光景! 2022年11月19日、南海電鉄とシマノスクエアのコラボレーションにより、実証実験という形で初めてサイクルトレインが運行されました。南海なんば駅から和歌山市駅までの特別運行です。シマノスクエアは、これに合わせた3つのイベントライドを提案し、その参加者たちが南海なんば駅に集結していたのでした。 「シマノスクエアと行く RIDE&FISHコース」(とってもシマノスクエアらしい企画!)に、「シマノレーシングと行く 和歌山ライドコース」(レースファン必見!)といったライドが同時に開催されましたが、ここでは「フォトグラファー辻さん&小俣さんと行く 映えるサイクルフォトライド」の模様を当日の写真とともにレポートしていきます。


電車に乗る前から、サイクルトレインは楽しい



朝8:00の南海なんば駅集合に向けて、自走で向かいます。駅近くには、大阪が誇る通天閣と新世界。関東からやってきたワタクシにとってはすでにこれだけでも立派な観光。自転車で明るい新世界を巡るだけでもすっかり旅気分を味わったのでした。一通り楽しんだら、南海なんば駅へ向かいます。


自転車をそのまま! 駅に持ち込んじゃおう



南海なんば駅に着くと、そこにはたくさんの参加サイクリストのみなさんが。駅で見かけるサイクリストは輪行中であることが多いのですが、この日そんな人は皆無。みな、自転車をそのままに持ち込んで駅の改札へと向かいます。階段はシクロクロススタイルで担ぎながら。それもちょっと楽しかったり。


ホームに自転車、テンション上がります



改札を抜けてホームへ。ここに自転車をそのまま持っていけることに、ちょっと感動。ここはヨーロッパの鉄道駅かと見紛うほどです。駅の混雑状況によりますが、輪行袋に入れた自転車を肩に背負いふらふらと歩くよりも、自転車をそのまま運ぶほうが他の乗客との接触も少ないのでは、なんてことを思ったり。


嬉しい散走BARのプレゼント



乗車時にシマノスクエアから散走BARのプレゼント。シマノスクエアのオリジナル補給食で、店舗のカフェでもお馴染みですね。なんといっても美味しいのが特徴。ライド時に小腹が空いたら食べよう……と思っていたけれど、和歌山市駅に着く前にもう食べきってしまいました…


愛車と過ごす1時間の電車旅



乗車時間はおよそ1時間。サイクルトレインといっても、通常の車両を使用しているため自転車はバンドで座席端の手すりに固定します。スペースを広々と使える今回の実証実験ならではですが、愛車がすぐ隣にある電車旅は安心感もあってとてもよいものです。見慣れない光景に、「映えるサイクルフォトライド」参加者は早くもシャッターを切る手が止まりません(笑)


車窓には一面の海!



一路南下していく南海鉄道。大阪府の南端に近づくと車窓に海が広がりました。こちらもいいシャッターチャンス! 自転車に乗る前から忙しい、忙しい。


和歌山市駅に到着!



1時間ちょっとの快適な電車の旅を終えて、和歌山市駅に到着。ここは電車を降りたホームからそのまま改札につながっていて、階段の昇降もなくスムーズに外へ出ることができました。


ちょっぴり南国?



和歌山市駅を降りると、温かな陽光がお出迎え。大阪からだとちょっと南国に来たような、そんな旅情も。


シマノスクエア 蔭山店長よりご挨拶



和歌山市駅まではすべてのライド参加者が一緒でした。ここからは、それぞれのライドコースに向けて出発します。また、サイクルトレインに乗るだけの「行き先自由なフリーライドプラン」の参加者は、ここから走り始め。スタンプラリーや、大阪方面へと戻るライドなど、それぞれに自転車での一日を予定されていました。蔭山店長は得意の釣りを楽しむ、「RIDE&FISHコース」へとこのあと出発です。


今日の講師は辻啓さん!



「フォトグラファー辻さん&小俣さんと行く 映えるサイクルフォトライド」の講師役は、世界各地で自転車レースを撮るフォトグラファーの辻啓さん。大阪にお住まいの辻さんにとって、和歌山は走り慣れたライドコース。今日は、たっぷりサイクリングといい写真の撮り方を教えてもらいます!(それにしても「短パーニ」の愛称で知られる辻さんは軽装…


和歌山城内で写真スポット探し



ライドが最初に訪れたのは駅からもほど近い和歌山城。ここで撮影スポットを探します。すでにレクチャーは始まっていて、「いい写真とは何か?」「サイクリング時のカメラストラップの長さ」「撮影視点を変えてみる」など概論から実践的な話まで、その話題は多岐にわたっていました。


参加のみなさんも前のめり気味



最初から濃いレクチャートークに、参加者のみなさんも聞き入ります。定員6名(当日は5名参加)と小規模のライドだからこそ、気軽に質問などもできていい雰囲気。この和歌山城で出されたお題は、「自分の自転車をカッコよく撮ろう!」。いろんなコツも教えてもらいながら、各人が自分の愛車を撮ろうとチャレンジします。


愛車のポートレート



「その場所の環境をうまく使う」「光の向きをよく見る」「バイクが美しく見えるギア比やクランク位置」といった数々の教えをもらいながら、自分のバイク写真にチャレンジ。…した結果がこちら。辻さん、どうでしょう?


ランチを求めて和歌山マリーナへ


ちなみにこちらは辻さんによる一枚(Photo: Kei Tsuji)



和歌山城から、次なる目的地の和歌山マリーナシティへと10kmほどのライド。辻さんはところどころで止まっては、参加者たちの写真を撮っていました。


ヨーロッパ風なマリーナシティ


(Photo: Kei Tsuji)



到着した和歌山マリーナシティは、ヨーロッピアンな雰囲気。先程の教えを思い出しながら、ロケーションとともにバイクをパチリとやってみました。スペインあたりにいる気がしてきます!


海鮮ランチ後は、「流し撮り」実践写真講座!



腹ごなしも兼ねて、午後は辻さんによる「流し撮り講座」からスタート。ロードバイクのスピード感を表現する流し撮りは、プロならではの技術ですが、そのテクニックやポイントを学びます。辻さんの手にかかると…


(Photo: Kei Tsuji)


この通り。あまりスピード感のないワタクシのライドもご覧のように速く見えます! テクニックを教わった後は、みんなで代わる代わるライダー役になって撮影会。もちろん辻さんは全員をしっかりと撮ってくれていたのでした。


写真はその場でチェック!



ライドシーンを撮影した辻さんはすぐに写真をチェック。プロのフォトグラファーらしいしぐさですが、そのままどんな写真が撮れたかも見せてくれます。動きのある背景にピタリとライダーが写し止められた写真、ライダーが自分ということで宝物になりそうです。


流し撮りに挑戦!


(Photo:Yufta)

(Photo:Kei Tsuji)


…してみましたが、ワタクシの技術ではここまででした…

同じタイミングで撮った辻さんの写真はこちら。さすがです。


自転車だから行きやすいフォトスポット、雑賀崎



続いてライドして向かったのは辻さんおすすめのフォトスポット、雑賀崎。ここは外国からの観光客も多く訪れる知る人ぞ知るエリア。傾斜に家々が立ち並ぶ海沿いの景色は、日本のアマルフィとも呼ばれるそう。


絶景と上り坂はセット?



絶景や素晴らしい街並みと多く出合えるのがサイクリングの魅力。素敵な景色をどう撮れば、忘れられない一枚になるのか。そんなことを考えながらの雑賀崎。そしてその後は見えていた街の中へとヒルクライム。絶景と上り坂は往々にしてセットなので…がんばりましょう。


回り道も、悪くない



今回のライドを引率してくれたのは、シマノスクエアのASAKEN副店長。AEDを含めた誰よりも大きな荷物を持ちながら、誰よりもパワフルなライディングを見せていました。…が途中で道路が工事通行止め。苦笑いで引き返しますが、それもまた旅の味わい。


標識だって立派な被写体?



普段走らない地域を走ると、色んなことに気づきます。この標識も、よく見るとすごい。和歌山、すごい。


最後はみんなでパチリ



およそ30kmのフォトライドを終えて、みな無事に和歌山市駅に帰還。たくさんの笑いと学びのあったライドになりました。この日辻さんが撮った写真は参加者の方にプレゼントされたということで、こちらもいい記念になったことでしょう。ご参加いただき、ありがとうございました!


(Text & Photo: 小俣 雄風太)