Bicycle event

夜のスクエア 「楽して速くて美しい⁉ 油圧ディスクブレーキ講座」

[開催日] 2019/07/24


「夜のスクエア」は、ほぼ水曜の晩に開催されるシマノスクエアの定例イベント。お仕事帰りに軽く自転車のコツを掴んでいただくプチ講座です。
 今回のテーマは「油圧ディスクブレーキ」。ディスクブレーキの特徴・仕組みを学ぶのに加え、取り扱いや購入時の注意点を知っていただき、理解を深めていただければと開催いたしました。


まずは、”ブレーキ”ってそもそも何だろう?! スピードを遅くするための部品ですよね。それは運動のエネルギーを摩擦の力で熱エネルギーに変える装置とも言えます。 普段目にすることのあるロードバイクのキャリパーブレーキもディスクブレーキもそうしたエネルギーを変換する装置。やっていることは同じですが、その形が違うんです。


 では、油圧ディスクブレーキ 中身を見たことがある方いらっしゃいますか?
 ほぼ いない ですよね。
 通常は、油が漏れないように保護ざれているので見ることができませんね。どんなつくりになってるのか?
 特別に透明な樹脂で作ったブレーキレバーとブレーキキャリパーのクリアサンプルをご用意し、実際のオイルの通り道を見ていただきました!


薄らとピンク色のオイルがキャリパーのピストンの裏側に充満しています。

レバーを推すと薄らとピンク色のオイルがちょっとだけ移動していきます。注射器みたいに少しずつ押されて最後に先端のオイルがピストンを押しているんです。レバーを戻すと、押された後のオイルが、また自動的に元に帰っていきます。ここにもノウハウが詰まっています。

ディスクブレーキはレバー・キャリパーだけでなく、ホース・パッド・ローター から成り立っています。
それぞれの構造をサンプルを触りながら観察しますと、ふむふむ、なんかそれほど難しくはない気がしてきます。
キャリパーブレーキのブレーキシューやパッドに、ケーブルがオイルに置き換わったようなものですね。


 今回はブレーキタイプに合わせて3つの自転車を用意し、違いを実際に感じていただきました。 
ロードキャリパーブレーキ・ロード油圧ディスクブレーキ・ケーブル式ディスクブレーキです。それらの構造と特徴を解説しました。
 実際に回してブレーキをかけてみると、効率感の差や効きの上がり方の違いを感じていただけたと思います。


 次に、実用上の心得や完成車や部品選びの際にご注意いただくポイントを解説。
 最近は、ロードバイクのブレーキ台座やハブ・軸の規格も統一されてきましたので、これからの完成車では、互換性の問題は少ないです。現状フレームで部品アップグレードの場合は、ご注意ください。

 最後に少しメンテナンスのご紹介をいたしました。
 完成車でオイルがキッチリ入り、システムから空気が抜けていたら、ほぼメンテで困ることはありません。キャリパーブレーキ同様に消耗品を変えるだけです。ディスクブレーキの場合は、パッドとローターに当たります。
システムになんらかの原因で空気が入っていたら、それを抜く作業を専門店で行ってもらいます。
どんな作業かというと、こちら。。


 専用工具の漏斗(ブリーディングファンネル)を使って純正ミネラルオイルを入れなおします。
 シマノのオイルは薄いピンク色をしています。漏斗をブレーキレバーにねじ込みます。もし空気がシステムに入っていたら、漏斗に中の空気がポコポコ浮き上がってきます。完全に泡がなくなったら完了です。レバーの引きがしっかり硬くなります。
 今回は皆さんに ワンショット づつご用意しました!


 グイッと一気飲み! です。
 シュワ―ー!

 (**ミネラルオイルと気泡を模した 炭酸スイカジュースです。くれぐれも本物のミネラルオイルは飲まないでください! ブリーディングファンネルは新品で洗浄済みです。)
 
 ここまで気泡が出てくることはないですが、工場出荷状態から、完成車メーカー・専門店でホース長さを変えたりした場合に、微細な空気が入る場合もなくはありません。自転車を逆さにした際に、それらがホース側に入ってしまうこともありますのでご注意ください。


 今回は、ディスクブレーキの構造と特性を、様々なサンプルやバイクなどを手に取って体験していただき、理解を深めていただきました。参加者の方にはディスクブレーキのロードバイクにお乗りの方もいらっしゃいましたが、知らなかったことも多く発見できたそうです。より安心してディスクバイクを楽しんでいただけたらと思います。
 もちろんブリーディングなど専用工具が必要なメンテナンスは、スポーツバイク専門店に見てもらうのが一番です。その際にも構造や調整方法など少し覚えていただくと、お店とのやりとりもスムースになるかもしれませんし、日ごろの自転車の調子により敏感に気づくことができるかもしれません。
 今回の講座を通じて、皆様のサイクリングライフがより豊かになりますように願っております。
「夜のスクエア」では、ちょっとした自転車のコツをつかんでいただく様々なプチ講座を開催しております。どうぞお気軽にご参加ください。

 

【参加者の声】

・ディスクブレーキの仕組みやメンテナンスの事が知れて良かった。

・各種パーツを実際に触って比較でき面白かった。

・透明モデルはとても興味深かった。

・全部面白かった!ジュースも!

 

 

【講師】

シマノスクエア スタッフ