Bicycle event

夜のスクエア「ぼちぼちコンポアップグレード講座」

[開催日] 2019/06/12


「夜のスクエア」は、ほぼ水曜の晩に開催されるシマノスクエアの定例イベント。お仕事帰りに軽く自転車のコツを掴んでいただくプチ講座です。

 今回のテーマは「コンポアップグレード」。
スポーツバイクに乗り慣れてくると、そろそろ”何か”新しくしたくなってきますね。変速の段数を増やしてみたり、ブレーキを変えてみたいなあ。でも高いコンポって何が違うのかな?自分のレベルには合うのかな?どれを選べばいいのかな? 色々と疑問がわいてきますね。

 本講座では、コンポーネントのグレードの違いや新旧世代の違い。お選びいただく際の注意点。ぶっちゃけ何を変えたら ”自分にとって本当にいい” のか などをお伝えし、理解を深めていただければと思い開催いたしました。


まずは、自転車の”カテゴリー”
ロードバイク・マウンテンバイク・アーバンバイク・トレッキングバイク。シマノでは、上記の4つの車種・乗り方を定義して、それに最適な部品を作っています。
もちろん、世の中には様々なスタイルがあり、各国の自転車メーカーが、様々なモデルを作っています。フレームのデザインを変えたり、この4種類のカテゴリーの部品を組み合わせながら、派生モデルができていきます。


 今回はロードバイク乗りの方が多いので、ロードバイクカテゴリーを中心にお話します。
各カテゴリーごとに、コンポの ”松竹梅” があります。上位から下位までのグレードですね。
 例えば「DURAACEとULTEGRAどうしてこんなに値段が違うの?」
 「105買っておいたら間違いないっていうけどなんで?」
 皆さん気になりますよね?!


 そうした疑問にお応えすべくたくさんのサンプルをご覧いただきながら解説をいたしました。

 DURAACEから105の最新モデル、また1つ前の世代のモデルとも比べてみます。
 製品をよく見てみると、使われている素材・構造・形状が微妙に異なるのが分かります。
 普段裏から見ることのないクランクもチェーンリング、スパイダーアームなど、随所に違いがありますね。
 そうした微細な違いの積み重ねが、操作・回転の軽さやスムースなフィーリングにつながっています。
 また表面処理も見比べれば、表現の手法が上位クラス程手がかかっていることも、旧世代から進歩しているんだなあと感じます。
 機能=できること としてみると、DURAACEでも105でも ”同じ世代” であれば、同じです。
 最新モデルは11段変速で、軽くて速い操作、軽量で剛性十分なドライブトレインとしっかり効くブレーキは、ハイエンドモデルでは約束されています。 
 ですからDURAACEも105も出来る機能はほぼ同じです。当然その部品のついたハイエンド完成車のモデル松竹梅も105から梅が始まることになります。またそこまでガシガシに漕がないリラックスした使い方の中級価格帯の完成車にも松竹梅があります。その中でいいもの、松となると105が搭載されます。そういったレース入門・高級レクレーションといったニーズにあう完成車に採用されるのが丁度105の価格帯です。
「105買っといたらいい」というのはこういうことです。


また、”梅”ならではの特徴もあります。 
それは 軽くて楽なギアのチョイスがあることです! 
DURAACEはレース用部品の頂点ですので、脚力がある競技者向けのやや重めのギアに専用設計されています。
105は、レクレーションにも使えるように、軽めのギアが選べ、それがキチンと変速する設計になっています。
必ずしも、DURAACEが自分の乗り方・脚力にあっているとは限りません。重くて踏めずに押す
”今の” 体・使い方・環境にあった部品の選択が大事ですね。その意味では、”アップデート” という考えで見直すのもいいですね。

 ですが世代が変わると、同じグレードでも ”できること” は変わってきます。互換性がない場合が出てきますのでご注意ください。例えば段数が変わったりしたら部品が使えないです。

 アップグレードには、世代をまたぐこともあれば、同じ世代で梅から松に行く場合もあります。
 
 機能が変わる ”世代” と 品質感や選択肢が変わる ”松竹梅” どちらの方向に行きたいか 走りながらちょっと考えてみてはいかがでしょう。


”部品” の ”部品” にもグレードがあるのご存知でしょうか?
よくよく考えたたら 高級で高品質な品物はもちろん、高品質な部品集まりと言えます。
その中には簡単にアップグレードできるものがあります。その代表格がケーブルです。

シマノ製のDURAACEグレードのケーブル。105グレードのケーブル。他社製のケーブルを 引き比べていただくと…。
(スルスルー)
(スルー)
(堅!)
ケーブルによって、操作の重さが全然違ったり、まあまあ似てたりします。その品質が価格に見合うかどうかは、自分次第です。自転車の神経や血管のようなケーブル。大事に選んでください。
(参加者の方の中には、後日”ケーブルを全部DuraAceグレードに変えました”という方も。)


 カテゴリーごとにパーツの設計が異なる話をしましたが、最近はグラベルロードバイクが流行ってきてますね。

 シマノも「GRX」というグラベルロード用コンポを発表いたしました。ロードカテゴリーから派生したシリーズです。
 ロードで培われた機能をベースに、ラフなジープロードでも安心して走り続けるための工夫が随所にされています。油圧ディスクブレーキオンリーで新たに開発したシフトレバーだったり、太いタイヤ対応のフロントシステムだったりです。実際に完成車をお持ちし、触ったり乗っていただきました。
 GRXは専用設計のため、部品の互換性はロードバイクと完全には、ありません。チェーンラインに注意ですね。
カテゴリーが変わると互換性の制限が出てくる点もお気を付けください。


 今回は、シマノのコンポのカテゴリー・グレードの違いを学び、理解を深めていただきました。少々専門的なこともお話しましたが、概念的には「こんな枠組みで商品ラインナップができているんだな」 ということが感じとっていただけたかと思います。愛車をアップグレードしていくのもよし、新車を選ぶのもよし、改めてご自身にあった自転車やコンポ選びの参考にされてください。
 もちろんアップグレードには、部品交換の工具・技術・経験が必要になってきますので、総合的に見ていただけるスポーツバイク専門店のメカニックに見てもらうのが一番です。基礎知識を持っておくことで、お店とのやりとりもスムースになるかもしれません。自転車仲間との会話も弾みますしね。
 今回の講座を通じて、皆様のサイクリングライフがより豊かになりますように願っております。
「夜のスクエア」では、ちょっとした自転車のコツを掴んでいただく様々なプチ講座を開催しております。どうぞお気軽にご参加ください。

 シマノ製品のお取り扱いの自転車専門店は、シマノのホームページ の     販売店検索   より検索ができます。ぜひご活用ください。

 

[参加者の声]


・シリーズごとの違い。基礎も教えてもらって参考になった。
・ワイヤー選びも大切だと思った。
・自転車屋さんでも聞けない内容で面白かった。
・上位機種が何でも良いわけではないことも目からウロコだった
・今までよく分からなかった互換性について。何を調べればいいか分かった
・グラベルロードに興味があり、実車を見ることが出来て嬉しい

 

[講師]

 

シマノスクエア スタッフ