大阪都心・芸術建築が育んだ都市をめぐる散走

梅田から中之島、藤田美術館へと続くエリアには、明治・大正期の洋風建築から現代の文化施設まで、各時代において最先端であった能動的な文化装置としての建築が、街にエネルギーを与え続けています。石造建築の様式美、吹き抜け空間の立体構成、自然と調和した庭園や広場──それぞれの建築が、時代ごとの理想と美意識を静かに映し出します。公園、美術館、図書館、公会堂といった公共施設が描き出す風景は、日常のなかにひらかれた芸術の場。移り変わる都市の記憶に、自然と触れられるのが、この街をめぐる魅力のひとつ。近代と現代、自然と都市が呼応するこのエリアは、文化が折り重なる都市を巡るにふさわしい舞台です。

DATA

★★
10.6km
3.5時間
スタート/ゴール
大阪駅/大阪駅

【おすすめスポット】

  • グラングリーンうめきた公園

    大阪駅隣接の梅田北ヤード跡地に作られた憩いの場。南公園には柱のないドーム「大屋根」と芝生広場があり、歩行者デッキで北公園(2027年完成)へつながる。約半分が緑で覆われた敷地には彫刻が点在。都心を緑の風景とともに有機的に結び付けている。
  • 桜ノ宮橋(銀橋・新銀橋)

    昭和5年(1930)武田五一、平成18年(2006)安藤忠雄による設計の2本の橋が架かる。桜の名所である桜ノ宮公園周辺は花見の名所として春は人を集める。
  • 藤田美術館

    毛馬桜ノ宮公園南端に隣接した藤田美術館が2022年にリニューアル。明治期の関西経済界の重鎮・藤田男爵が集めた東洋の貴重なコレクションを収蔵し、文化財として重要な役割をはたしている。邸宅跡地には、大阪市公館、太閤園、藤田邸跡公園(庭園)もあり、緑が溢れる一角。ガラス壁で囲まれた喫茶スペースでは芸術と共にお茶を気軽に楽しめる。
  • 藤田邸跡公園

    園内には池泉回遊式の低亜鉛があり、四季折々の植物などの風景を楽しめるよう一般開放されている。自転車の乗り入れは不可。
  • 大阪中之島美術館

    黒いキューブ状の建物内部は立体的な吹き抜けが重層した構造。展示エリア外は人々が行き交うパッサージュになり、アートを感じながら通行できる空間となっている。現代の美術とデザイン資料を数多く収蔵している。
  • 旧大阪市公館(ザ ガーデンオリエンタル大阪)

    1959年に迎賓館として建設され、大阪市長公館としても使用されていた時期がある。竹腰建造設計。現在はThe Garden Oriental 大阪としてレストランや結婚式場として利用されている。
  • 川崎橋

    自転車・歩行者専用の斜張橋。全長129mで、1885年にかけられた以前の私設の有料橋は「ぜにとり橋」と呼ばれていた。
  • こども本の杜 中之島

    建築家・安藤忠雄によって設計された子供用図書館。入り組んだ階段や廊下が面白い。入館には予約が必要。
  • 大阪府立中之島図書館

    中央本館は1904年に完成した。明治日本の近代化において、西洋建築を的確に表現した到達点とされている。住友家15代により図書館として文化の継承を目的に建設・寄贈された。石柱が並ぶ外観はギリシャ・ローマの神殿建築を継承した新古典主義の重厚な雰囲気を持ち、内部はステンドグラスのある円形ドームの他、木造階段部分をはじめ、ネオバロック様式の曲線美を堪能できる。
  • 大阪市中央公会堂

    大阪市のシンボル的建築としても名高く、ネオルネッサンス様式の華やかな公会堂は1918年の建立以降、著名な文化・芸術の発信地として重要な役割を果たしてきた。ステンドグラスや日本神話を描いた内装も壮麗。

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