西淀川区サイクルロードー走り整う、再生の風と祈りの街

淀川と神崎川に囲まれた西淀川区には、長距離の自転車専用道が整備され、風を感じながら走れる快適な環境が、日々の暮らしに溶け込んでいます。なかでも、大野川緑陰道路は、1970年代の環境改善を背景に整備されたもので、水質の回復や健康への配慮を込めた、いわば“再生の道”。西欧の自転車道を思わせる、花と緑に包まれた広々とした風景も、このエリアならではの魅力です。 また、古代「難波八十島」の名残として「島」のつく地名が点在し、漁船の船溜まりや町工場がひっそりと息づく、独特の街並みが広がります。「やりなおし神社」として親しまれる姫嶋神社では、再出発を願う風車や絵馬が風に揺れ、走る足をふと止めたくなるような祈りの風景が迎えてくれます。再生と祈りが溶け合うこの街で、 走るほどに、心が静かに整っていく時間が、心が静かにととのっていくような時間が待っているかもしれません。 そんな小さな余韻をひとつずつ拾いながら、 あなたなりの西淀川を見つけてみてください。

DATA

★★★★
26.5km
130m
4.5時間
スタート/ゴール
大阪駅/大阪駅

【おすすめスポット】

  • 矢倉緑地公園

    大阪湾に面した淀川河口に広がる緑のオアシス。自然に寄り添うよう整備された護岸や緑地には、魚や野鳥が集まり、潮風が運ぶ匂いの向こうに広がるのは、大阪湾の大きな空と光のゆらぎ。淀川リバーサイドサイクルラインの終点から辿り着けるこの場所は、都会の縁にふと立ち止まる散走者に、開放感と静寂の両方を届けてくれます。
  • 大野川緑陰道路 自転車歩行者専用道

    かつて川が流れていた場所を埋め立て、緑陰の道へと生まれ変わった全長約3.8㎞のルート。自転車道と歩行者道がゆとりをもって並び、最大で4本の道が並ぶその幅は、26~31mにもなります。大通りをくぐるアンダーパスを抜けるたびに景色が切り替わり、走るリズムを心地よく保てます。豊かな緑と花々がつくる彩りの中を、信号に煩わされずに進めるこの道は、都市の中にありながら、軽快な走行を楽しめるスポットです。
  • なにわ自転車道

    大阪市の北の縁に沿って延びる全長約21.6kmの自転車道で、神崎川流域をたどり、西淀川区・出来島駅近くまで続きます。都市の喧騒から少し距離を置いた川沿いの道は、風を頬に受けながら穏やかに走るのにぴったりで、移り変わる季節の風景を楽しむことができます。城北大橋付近では淀川リバーサイドサイクルラインとも繋がっており、ルートの幅を広げられるスポットです。
  • 西島川左岸・右岸自転車歩行者専用道

    西淀川区を南北に貫く西島川沿いには、左岸・右岸それぞれに整備された全長約2kmの自転車歩行者専用道があります。大野川緑陰道路となにわ自転車道を結ぶ導線として機能し、区内を走る生活路であると同時に、都市の水辺空間を活かした快適なサイクリングルートとしても利用されています。北端では神崎川と接する出来島水門を徒歩で渡ることができ、水辺を身近に感じる散走が楽しめます。周辺には自然や工場風景が入り混じり、都市の中の意外な静けさを発見できる道です。
  • 江崎グリコ記念館

    江崎グリコの創業者・江崎利一の功績と、同社の歩みを紹介する企業ミュージアム。キャラメルに始まる商品開発の変遷や広告の歴史、科学と健康に基づいた企業理念などを通じて、日本の食文化の一端を知ることができます。展示には懐かしいおまけや歴代商品パッケージもあり、世代を超えて楽しめます。見学は無料ですが、事前予約が必要で、日曜と祝日は休館となっています。
  • 姫嶋神社

    「やりなおし神社」として親しまれる姫嶋神社は、「決断と再出発の神様」阿迦留姫命(あかるひめのみこと)を祀ります。伝承によれば、姫は自らの運命を切り開くため舟で海を渡り、新たな人生を歩み出しました。その故事にちなみ、境内には風車を供えたり、願いを書いた貝殻型の絵馬を奉納したりと、再出発を願う人々が多く訪れます。また、戦火をくぐり抜けた御神木も、再生と希望の象徴として静かに佇んでいます。

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