cycle event

昭和町バイローカル散走

[開催日] 2020/10/03

秋の気配を感じるとある週末。
ノスタルジックな雰囲気漂う昭和町を散走でゆったりと巡りました。

大阪市の南部に位置する天王寺駅から一駅の昭和町。
目の前にあべのハルカスを望む昭和町には、喧騒から離れたどこか懐かしい下町の雰囲気が漂います。
大正から昭和にかけて経済発展と共に建てられた長屋は、戦火の被害が少なく、今も街の至る所に残されています。
しかし、30年ほど前から建物の老朽化や人口の減少で、商店街も空き店舗が目立ち、空き家や空き地も増えていきました。

そこで地域の資産価値を向上させる活動として2013年から始まった「バイローカル(buy-local)」という取り組みがあります。
地元のお店を積極的に継続的に使うことで、良い商いが残り、新たに良い商いが育ち、地域がより魅力的になる。そこで暮らす人の生活の質を高め、多くの人が住みたいと思う町となり、地域の資産価値を向上させるという取り組みです。
昭和町界隈では、古い建物を活用することで、そこに住む人達の生活や商いがひとつとなって町全体の価値を向上させていくというケースも多く、長屋を改装した飲食店や雑貨店に出合うことができます。

今回は、昭和町エリアで「バイローカル」をキーワードに、日常の身の回りにあるものを大切にしながら、新たな魅力を巡る散走に出かけました。


地下鉄御堂筋線昭和町駅を出発してすぐ、さっそく昭和町らしい景色が見えてきました。
寺西家阿倍野長屋は、昭和7年(1932)に建築された2階建の4軒長屋で、近代長屋としては全国初の登録有形文化財です。現在は4軒とも飲食店となり、昭和の雰囲気を残す地域の名所となっています。
大通りから一つ道を曲がるだけで、タイムスリップしたかのような風景に出合えるのが昭和町の魅力。そして、気ままに小道を行けるのも散走の魅力です。


まずは腹ごしらえ!というわけで、ランチを頂いたのは、オーガニックカフェ「DJANGO(ジャンゴ)」。
緑に包まれたユニークな入口を入ると、落ち着いたお洒落な空間が広がります。壁や照明に椅子、カップからカトラリーに至るまで手作りというオーナーのこだわりが店内のあちこちに感じられます。ここではオーナーがご自分で有機栽培された野菜を使った料理と、こだわりのベーグルなど、ボリュームたっぷりのお食事が頂けます。
温かみのある店内にはオーナーのセレクトした音楽が流れ、ほっと寛げる空間についつい長居してしまいそうです。


阿倍王子神社


八咫烏おみくじ


安倍晴明神社

お腹も心も満たされ、のんびり町を巡っていると住宅街の中に神社がありました。
阿倍王子神社(あべおうじじんじゃ)は、和歌山県の熊野本宮、新宮、那智大社の末社で阿倍野王子と呼ばれた王子社です。
「王子社(おうじしゃ)」とは中世の熊野街道に沿って熊野詣の途中の休憩と遙拝(ようはい)の為のお宮としてたくさん設けられた神社です。
王子社の中には、熊野信仰の衰退と共に退転したお宮もありますが、阿倍王子神社は大阪府下では唯一の旧地現存の王子社として現在に至ります。
阿倍王子神社では、八咫烏(やたがらす)おみくじを授かることができます。サッカー日本代表のエンブレムでおなじみの八咫烏は、勝利へ導く守り神。底の赤いヒモを引くと出るおみくじは、家に飾れば幸運を呼ぶと言われています。
そして、阿倍王子神社から50m南にある安倍晴明神社は、陰陽師・安倍晴明を祀る晴明生誕の伝承地です。晴明没後2年の寛弘4年(1007)に創設とされましたが、幕末に衰退し、大正10年(1921)阿倍王子神社の末社として復興、大正14年(1925)には現在の社殿が建てられたといわれています。


安全を祈願したあとは、ちょっとコーヒーブレイク。
カフェ「うさぎとぼく」は、築90年の長屋を改装した自家焙煎コーヒー専門店です。タイムスリップしたようなレトロな雰囲気の扉を開けると、コーヒーの香ばしい香りが漂い、温かみのある店内には様々な種類のコーヒー豆が並びます。
ゆったりと流れる時間の中で寛いでいると、注文したカフェラテが運ばれてきました。


「・・・!!!」

あまりの可愛さに、一瞬言葉を失いました・・!!(本当に!)

自転車で昭和町を散走している私たちへ、ご主人の粋な計らいで、素敵なラテアートを書いていただきました。
お月見をするうさぎが見つめる月の中には自転車が・・!!
可愛すぎて飲むのがもったいない!!あまりの興奮で、写真を撮る手が震えました(笑)

ご夫婦で営むこちらのお店では、地域との繋がりだけでなく、福祉施設と社会との橋渡しとしての取り組みなども大切にされており、店内には施設で作られた美味しそうなお菓子も並びます。


そして再び自転車を走らせること数分。路地裏に入ると、落ち着いた雰囲気の長屋にある「暮らし用品」があります。
表の壁に開いた横長の窓から玄関が見える素敵な造りの門構えを抜け玄関を入ると、暮らしを彩る器が並びます。店主の米田さんがセレクトしてくる全国各地の作家さんの器やカトラリーは、それぞれに個性と温かみを感じます。
庭から差し込む光に照らされ、輝く器の数々は、見ているだけでも心落ち着く時間でした。


さらに、昭和町から少し南へ足をのばし、帝塚山エリアもぶらりと寄り道。思いつくままに巡れるのが自転車の良いところ。 
阪堺電車の走るこのエリアには、閑静な住宅街の中に、美味しいお菓子屋さんやパン屋さんなど、日常を彩る魅力的なお店がたくさんあります。


地元でも有名な「オーガニック パン工房 それいゆ」に立ち寄ってみました。
自家製天然酵母と自家製粉した有機小麦の全粒粉を使ったパンは、夕方には売り切れということも。
丁寧に作られたこだわりのパンは、生地そのものの甘みと、噛めば噛むほど豊かな風味が感じられ、思わず笑みがこぼれます。


最後に訪れたのは、自転車店「calm」。
オーナーが一から手作りで内装を手がけた店内には、オリジナルの自転車が壁を彩ります。
オーナーはもともとシマノに勤めていたというご縁もあり、しばし自転車談義に花が咲きます。アットホームな雰囲気で、気軽に自転車についての相談に乗ってもらえます。ライフワークの一部である大切な自転車と長く付き合うために、馴染みの自転車屋さんがあるって良いですね。
店内から直接行けるお隣の「だいこくや洋菓子店」では、美味しいスイーツのほかに、calm店主が、徳島から取り寄せた豆を使った芳醇で豊かな香りのこだわりのコーヒーも頂けます。

こうして昭和町界隈の地元に愛される各所を巡りつつ、昔ながらの良さと新たに吹き込む魅力に触れた散走を終え、帰路についたのでした。

秋はサイクリングに最適な季節。
その季節ならでは、その土地ならではの魅力と楽しみがあります。
そして、その目的を自転車「で」楽しむ散走は、自分次第で自由にカスタムできるライフスタイルです。どの道を通るか、どの店に立ち寄るか、その時々で様々な風景が楽しめる自分だけの散走を楽しんでみてください。


詳しい散走コースは、下のマップをクリック↓