総勢60名が参加! 南海電鉄×JR西日本 秋のサイクルトレイン 2025 ~電車で行く高野山・和歌山の自転車旅~
2025年11月2日、南海電鉄とJR西日本とシマノスクエアがコラボレーションしてサイクルトレインイベントを開催しました。春にも同社と開催した同様のイベントでは、海側の路線を利用させていただきましたが、今回の秋イベントでは、紅葉なども楽しめる山側の路線で開催。
イベントにゲスト参加していただいた、ロードレース実況等でも活躍されているサイクルジャーナリストの小俣 雄風太さんにイベントの様子をレポートしてもらいました!
シマノスクエアと行く、
和歌山フルーツ&スイーツライド
サイクルトレインって面白い。自転車を電車に持ち込める非日常感、電車移動という別の旅情、そして自走では行くことのできないエリアを走る喜び。この数年、シマノスクエアはサイクルトレインのイベントを開催して「電車×自転車」の楽しさを伝えてきた。
2025年の春には、おなじみの南海電鉄に加えJR西日本のサイクルトレインを乗り継げるイベントが開催され、好評を博したのだとか。再びこの二社の協力を得て、秋の和歌山方面へのサイクルトレインイベントが11月2日に開催された。
みなが愛車を車内に持ち込み、電車が走り出すと、「秋のサイクルトレイン2025 電車で行く高野山・和歌山の自転車旅、みなさまどうぞ、サイクルトレインの旅をお楽しみください」という車内アナウンス。車掌さんの名調子に、いやおうなしに気分が高揚する。
朝7時21分に南海なんば駅を出発したサイクルトレインが向かうのは和歌山の内陸に位置し、2つの鉄道会社が乗り入れる橋本駅。1時間ほどの電車旅で、街から山へと車窓の風景が変わっていった。
橋本駅からは「シマノレーシングと行く、高野山ヒルクライムライド」、「シマノスクエアと行く、和歌山フルーツ&スイーツライド」の二手に分かれてそれぞれライドを開始。
シマノレーシングからはチーム退団が発表されていた中井唯晶選手、石原悠希選手、さらに今シーズン限りで引退を表明した冨尾大地選手も参加者と走り、青のチームジャージを着る彼らと触れ合える貴重な機会となった。
「シマノスクエアと行く、和歌山フルーツ&スイーツライド」の参加者は14名。2グループに分かれて、およそ40km先のJR岩出駅へ向かって紀の川沿いを下っていくルートが設定された。
和歌山のこの一帯は、果物栽培が盛んな地域。今回のコースは、スタートしてから柿、柑橘類、桃と走りながらグラデーションのように果実の畑が変わっていくのが印象的で、秋の実りを目でも楽しむことができた。
コースもほとんど登りのない快走路で、穏やかにペダルを回しながらも、休憩も兼ねて途中の道の駅をチェック。エコバッグやリュック、あるいはバイクにパニアバッグを装着してきた準備のよい参加者の方は、ここで果物を購入していた。かくいう私も、かさばらない干し柿をゲット。
目で見る果実もいいけれど、フルーツライドの真髄は味わってこそ! ランチは紀の川市粉河の「力寿し」さんでフルーツ寿司。フルーツとお寿司、意外な組み合わせだけれどこの彩りの鮮やかさ。美しい。
そして恐る恐る一口食べてみると……美味しい! 個人的には柿とチーズのお寿司がヒットでした。
店主の力谷昭夫さんは、フルーツの町として知られる紀の川市にお寿司で貢献できないかとこのフルーツ寿司を試作したのだという。初めはうまくいくか自分自身も不安だったそうだけれど、今では地域の名物として知られるようになった。「おかげさまでフルーツ寿司を始めてもう10年になります。ぜひこの町を楽しんでいってください」と集まったサイクリストへのメッセージも。
食後は再びペダルを漕いでJR岩出駅へ向かう。山間だった橋本から、40kmほどを走ってきて景色も開けてきた。乗る電車までは時間があったので、参加者は思い思いにコーヒータイム。実は岩出駅前、純喫茶からコーヒーロースターまでチョイスの幅がある珈琲タウンなのであった。
サイクルトレインだから輪行の時間をとらなくていい。その時間がコーヒータイムになるというわけだ。
岩出駅からはJR和歌山線で橋本駅へ戻る。一両貸切のサイクルトレインで、あっという間にスタート地点の橋本駅へ。高野山ヒルクライムを終えたシマノレーシングライドグループとも合流して、一日を振り返った。
再び自転車と共に南海電車に乗って大阪方面へ。次に電車を下りたら、もう夕暮れの都会の風景が拡がっているのだろう。
TEXT:小俣 雄風太
PHOTO:辻啓|小俣雄風太
主催:南海電気鉄道株式会社
協力:西日本旅客鉄道株式会社
(近畿統括本部 和歌山支社)
株式会社シマノ、シマノスクエア